
そうだったのかブロックチェーン EP.021 |各国は暗号資産をどう規制するのか? 5つのレイヤーで読み解く日米欧の制度
今回のテーマは「各国の金融規制」。個別の条文を暗記するのではなく、各国が“どこを見て、どの方向へ進もうとしているか”というレイヤーで捉えるのが狙い。まず暗号資産の規制を5つの層——①資産そのもの(ビットコインか、発行体のあるトークンか)②発行体の行動(発行・償還・開示・勧誘)③仲介(交換業・ブローカー/ディーラー)④市場インフラ(どのチェーンを使うか、DeFi、決済ルール)⑤既存金融との接続(AML/CFT)——に分けて整理する。自動車(車種・製造基準・販売店・信号・ナンバープレート)になぞらえると分かりやすい。そのうえで、日本(資金決済法+金商法、2026年可決・2028年施行で有価証券法へ)、EU(横断的に整理したMiCA、アセットリファレンスド/Eマネー、パスポート制度)、米国(包括法はまだ無く、ステーブルコインのジーニアス法のみ成立、クラリティ法は議論中。SEC対CFTC、強力なロビイング)、香港(ステーブルコイン免許制度、HKMA)、シンガポール(サンドボックス、MAS、ファストペイメント接続実験)、英国(FSMAの増改築、2027年秋開始)、中国(民間クリプトは制限、e-CNYが中央銀行の負債から民間銀行の負債=預金トークン化へ)をウォークスルー。国ごとに条文は違っても「同じ活動・同じリスクには同じ規制を」という国際原則(FSB・BIS)があること、そして「5つの層×5つの問い(誰が負債を負う/損失を吸収する/顧客資産を預かる/どの法律が決める/危機時に誰が止める)=25の箱」で見ると、条文は違えど中身が似てくることを示す。最重要は暗号資産が「既存金融とどう接続するか」であり、双方向の“伝播(コンテイジョン)”をどう制御するか。最後に、規制当局は「平時はグローバルに協調し、危機時には自国民の利益を最優先する(=ローカルになる)」という構造的限界を抱えること(FTX破綻時の対応が象徴)、軸は「グローバル・インターオペラビリティ」だと整理する。次回・第22回は第2部のまとめ。
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